『十二ヵ月』の柿沼さん

―今回は大須通にあるカフェ『十二ヵ月』の柿沼さんのご登場!! よろしくお願いしまッス!!

よろしくお願いします。

―では早速。そもそもの話ですが、どういった経緯でこちらのカフェを出すことになったのですか?

もともと私はインテリア関連のデザインの仕事をしていましてね。20代の後半で独立をする際、主に飲食店の設計デザインがメインの仕事だったこともあり、お客様を呼んで具体的にハコの中に置くものを提案できるアンテナショップがほしいなと考えまして。だから、カフェがやりたくて…というわけではないんですよ。

『十二ヵ月』 柿沼久仁彦―きっかけはデザインの仕事の延長線上にあった、ということですね。ところで、お店を構える場所に大須という街を選んだのはどうしてですか?

それこそ本当に偶然な話なのですが、なんとなくここを通りかかったとき、単純に「いいな」と感じたからです。正直、当時の大須は今とは景色が全然違っていて、特に人の多いところでもなく、あまり気にもとめていませんでした。でも、この場所にはなんとなく惹かれたんですよね。

―ありますよね~「なんとなく」って。オープンから18年の月日が流れましたが、当時と今の『十二ヵ月』の店構え(内観・外観)はどのように変わりました?

ほとんど変わりせん。今のまんまです。私自身の設計デザインのコンセプトにも言えるのですが、古き良きモノとシンプルなデザインがすきなんですよ。だから、今でこそ珍しくはありませんが、開店当時からカフェながらも「和」の要素は外したくなかったし、日本ならではの四季を打ちだしたいというテーマもありましたので。間違いなく、これはずっと変わらないと思う。

―なるほど。和の空間と季節を感じられるギャラリーカフェだから『十二ヵ月』。ネーミングにも納得です! 今現在は奥様もお店に出られていますが、オープン当初はどうだったんです?

いや、最初からずっと妻と二人でこの店をやっていますよ。店というよりも、仕事そのものを二人でやっています。カフェの仕事も、デザインの仕事も。

―奥様もデザインの仕事をされていたんですね!

ええ、同じ職場仲間でした。いわゆる社内恋愛です(笑)。実のところ、私たちが結婚したのは『十二ヵ月』をつくったタイミングとほぼ同じなんですよ。今だから言える話ですが、向こうの両親に結婚の話をしに行ったのはまだ私が会社員のときで、独立しようと考えているってことは敢えて言いませんでした(笑)。

『十二ヵ月』 柿沼久仁彦―たしかに、言いにくいッスよね!「独立? ほいでは君、結婚してから先はウンヌンカンヌン…」って展開が目に見えていますからね(笑)。

そうですね(笑)。

―お店の方は昼が奥様で夜が柿沼さん、って具合に担当する時間を決めて動いているのですか?

ケースバイケースです。ただ、毎週土曜日のバータイムだけは私が入っています。基本、私のバイク仲間たちしか来ませんので。

―そうそう、柿沼さんってかなりバイクがお好きなんですよね?

ええ、大好きですよ。興味を持ちはじめたのは中学生のとき。いつか限定解除の免許を取ることが当時の夢だったなぁ…。あの頃からバイク熱はずっと続いています。若いころは峠で走るのも好きでしたが、今ではサンデーレーサーとして休日にサーキットで走るのが楽しみで。

―サーキットとは本格的ッスね!!! ちなみに愛車は何ですか?

カタナです。現在乗っているのは2代目なんですが、約20年間このバイクひと筋です。初代のは買ってすぐに盗まれちゃいましたけどね(笑)。一宮の本町商店街で。盗まれたときの「・・・ん???」って一瞬自分の頭がフリーズするようなあの感覚は今でもよく覚えています(笑)。

『十二ヵ月』 柿沼久仁彦―わかります。僕もケッタを盗まれたときそうなりました(笑)。それにしてもカタナひと筋とはシブイですね! ほかのバイクに乗ろうという気にはならなかったんですか?

ほとんどないですね。バイクに関してだけじゃなくて、設計デザインの仕事、カフェやギャラリーに関しても言えることなのですが、私は時間が経っても色褪せない「本物の素材とデザイン」が大好きなんです。こういう思考は、自分が生きていく上でのポリシーであり、最も大切にしていることでもあります。

―それ、素晴らしいッスね! 男として思わず憧れちゃいます。ではここらで、伊藤さんからの3つの質問を! ちょっと先ほどの内容と重複しますが、ひとつ目の質問。「なぜ、それほどバイクを愛せるのですか?」

危険だからです。危険なものをきちんと扱うことの面白さがあるからです。バイクには、60キロの速さでも怖いときもあれば、150キロ出しても怖くてないときもある。それをコントロールする喜びに私は大きな魅力を感じるんですよ。あと、大人になってから良い友達(バイク仲間)ができるところもバイクを愛す理由のひとつ。僕からバイクを取ったら? 死んじゃうかもしれませんね(笑)。

―いいっスね! マグロは止まったら死ぬ、みたいで(笑)。続いてふたつ目の質問いきます。「髪は切らないのですか?」

切らないです。『十二ヵ月』をオープンしたときから切ってません。こだわりというか、もう、楽ですからね(笑)。万が一ほかの髪型にするとしたら、金髪ショートかな…。でも現実的にはしないでしょうけど。

『十二ヵ月』 柿沼久仁彦―柿沼さんの金髪ショート、見てみたい気もします(笑)。では三つ目の質問いきます。「Tシャツに対するこだわりは?」

Tシャツ? ああ、今私が着ているこのTシャツのことね。実はコレ、うちのオリジナルなんですが、ずっと『十二ヵ月』とバイクをからめたデザインにしようと考えていたものの、なかなかまとまらなくてね。このまえやっと完成しました。

―Tシャツに対しても納得するまでこだわりつづけるってのは柿沼さんらしいですね! ということで今回のTalk Relayはここまで! ありがとうございまッス!!!

ありがとうございました。


『十二ヵ月』 柿沼久仁彦

柿沼さんから高橋さんへの質問
Q. 彼女はできましたか?(つくらない宣言してたけど)
Q. 最近は床で寝ていませんか?
Q. 黄色いベストはいつまで着るのですか?

プロフィール
『十二ヵ月』
柿沼久仁彦
一宮市出身。インテリア関連の会社勤務を経て、29歳で独立。大須にデザイン業のアンテナショップとしてギャラリーカフェ『十二ヵ月』を開店。バイクをこよなく愛する。今後も設計デザインとカフェの二足のわらじで自分を磨き続けることが目標。