Talk Relay『ラッパー/ASIAN-P』G.CUEさん

Talk Relay『ラッパー/ASIAN-P』のG.CUEさん

―今回のTalk Relayは、名古屋のHIPHOPシーンを牽引するラッパーであり、大須のショップ『ASIAN-P』のオーナーでもあるG.CUEさん! よろしくお願いします!
よろしくお願いします。

―では早速! ご紹介いただきました彫ぎんさんとG.CUEさんは、どのような関係なのですか?
彫ぎんさんとの出会いは、俺の仲間のTATTOOアーティストに紹介してもらったのがキッカケです。自分の中で、右腕は大事な場所であって、ここを彫ってもらうのは心底カッコ良いと思うアーティストじゃなきゃ嫌だったんです。で、彫ぎんさんの作品を見て「この人にお願いしたい」と思いまして。

―彫ぎんさんの作品のどんな部分に魅力を感じたのですか?
素人から見ても画力や技術、アイデアが凄くカッコ良かった。あと、それまで興味のなかったトラッドなスタイルのTATTOOを好きになるキッカケになった人でもあるからね。おかげでTATTOOというカルチャー自体の奥深さや面白さを知ることができました。

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―G.CUEさんがはじめてTATTOOを入れたのは何歳のときですか?
20歳ぐらいのときだったかな。ウエストコーストスタイルのGANG TATTOOが好きでしたね。でも、俺は日本人だから、和と洋を混ぜた感じで入れていきないなと思いました。

―話は変わりますが、G.CUEさんは名古屋出身なんですよね?
はい、もともと中村区です。

ー大須という街とはいつから繋がりがあるんですか?
17の頃からですね。今のマジスパになっている場所にあったペンタゴンってお店でバイトしていたんですよ。このSHOPがやりがいのあるお店で。たとえば古着の好きな人なら古着、俺だったらHIPHOPが好きだからHIPHOPを、という具合に、やる気のあるスタッフに担当するブロックが与えられていて、頑張って社長のOKをもらえば、取り扱うブランドを追加・変更できたり、仕入れたアイテムの売れ行きが良ければ買付けの金額をUPできたり。そういう経験があったから、俺はファッションにも強く興味を抱くようになったんです。

―夢のあるバイトですね! ちなみにG.CUEさんはHIPHOPのどういう部分に惹かれたんですか?
HIPHOPに対して最初はただのチャラい言葉遊びなイメージしかなかったけど、向こうの歌詞とかを調べてみると、実はハードコアなことを歌っていたりしているなと衝撃を受けました。

―アーティストとして活動をはじめたのはいつ頃からですか?
18からですね。

―名古屋のHIPHOPシーンにはどのような特徴がありますか?
名古屋のシーンというよりも、名古屋にいるHIPHOPアーティストの個性が強いかな。たとえば、DJ MOTO君。まだ名古屋にウエストコーストのHIPHOPカルチャーがなかった時に、その括りをつくり、この街にGANGSTA RAPのシーンを築いた方、掘り下げ方が凄い。名古屋のHIPHOPシーンのパイオニア的存在の一人だと思います。

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―G.CUEさんはラッパーとして活動20年という区切りを迎えられましたが、20年前と現在、名古屋のシーンに変化は生じましたか?
全然違いますね。俺がはじめた頃はやっている人が少なくて、「HIPHOPって何?」って状態だったので。日本語ラップも浸透してなかったと思うし。

―名古屋HIPHOPシーンが今日まで成熟することができたのは、何故だと思いますか?
やっぱり同じ音楽ジャンルが好き同士CREWで活動してきたのはデカイんじゃないかな。あと、ウエストコーストスタイルだとW.C.C.という絶対の場所があったし。そこで、HIPHOPがなんでカッコイイのかとか、教育してもらいましたからね。この曲はこのネタを使っていてこんな事を歌っているんだよと教えてもらったり、こんな映画面白いよとか、音楽だけじゃなくてローライダーのことも知らないとダサいよとか。全国的に見てもW.C.C.のスタイルは変わっていましたからね。たとえば、「ニューヨークスタイルの格好で俺らのクラブに来るんじゃねえ」って追い帰したり、他で俺ら以外がLAのHIPHOPをかけるならレコードの針を上げに行くとか、結構そういうのを徹底していたからこそ、現在のシーンが出来上がったのだと思います。そういう環境のおかげで、俺だったり、Mr.OZだったり、AK-69もそうだし、DJ DOPEMANとか、名古屋のウエストコーストスタイルのHIPHOPというと出てくる名前はW.C.C.で鍛え上げられましたからね。

―ちなみにですが、個人的に仲の良いアーティストはどなたですか?
DJ DOPEMANだったり、M.O.S.A.D.のEqualだったりは、よく遊んでいますね。クラブ行って、お酒飲んで、かわいい子いねえかなって。最近はエンポリとかで飲んでいますね。

―エンポリですか??? なんか、G.CUEさんのイメージに合わないですね!
ずっとHIPHOPやってきてるから。店でも一日中聴いてるし。平日の夜くらいは、エンポリの雰囲気が丁度いいんですよ。良い意味でヌケるし。

026―ほぼ毎日、飲みに出掛けるのですか?
そうですね。飲まない日は年に2~3日かな。

―体を壊したりしないですか?
動悸はなりますよ(笑)。

―酒を飲んでの失敗談とかありますか???
いっぱいあります。泥酔しないと飲んだ気にならなかった時期もあったから、タチが悪かった。「俺、タチ悪いだろ」ってくらいになって楽しんでいたので。仲間を殴ったりとか、クダをまいたりとか、そんなんもありました。

―酒の席にしても、G.CUEさんに絡んでくる人って、この世に居るのですか?(笑)
あんまりいないですね。けど、仲間が「家族を大事にしろ」って心配してくれるのに対して「うるせえ!」ってなってた時期もあって、さすがにやばいなと思い、彫ぎんさんに「俺、大丈夫か?」用に手鏡のTATTOOを彫ってもらいました。

―そういう自分へのメッセージ的な意味を込める場合もあるんですね! 他にも彫ぎんさんが入れたTATTOOはあるんですか?
いっぱいありますよ。テバサキ、シャチホコ、オデコのハエ、等々。

―テバサキとシャチホコのTATTOOは、やっぱり名古屋に対する想いが強いから、ですか?
じゃなきゃ入れないですよ(笑)。特にHIPHOPをやってると、地方に行っても名古屋を代表して来てるぜって証しにもなるし。あと、地元のキッズの代弁者だという自覚があるから…こうやってTATTOOが多くなっていくのかなあ。

―G.CUEさんにとって、名古屋で好きな場所はどこですか?
大須です。下町臭さもあるし、都会的なところもあるし、ごった煮の町だからですかね。

029―今後、アーティストとして、SHOPとして、それぞれ抱かれている展望は?
アーティストとしては現在ニューアルバムを制作中です。春には6年ぶりのアルバムをリリースできると思います。SHOPとしては、このスタイルを大切に、かつてのW.C.C.みたいにお客さんと音楽やカルチャーの話とかして、コミュニケーションを取れる場所としてやっていきたいなと。

―ではここらで、彫ぎんさんからの質問いきます! ひとつめ「今一緒にやってみたい(feat)アーティストはいますか?」
バリッと自分のアルバムを作った後、AK-69と久しぶりに男臭いのやりたいな。

―ふたつめ「ラッパーになっていなかったら今頃は何屋さんになっていたと思いますか?」
何屋だろうなあ・・・想像がつかないなあ。子供の頃から目立ちたがり屋だったので、何かしら目立つことをしていたとは思うけど、職種はわかんないすね。

―ではラスト「我々76年生まれ、40歳手前ですが、40までの目標、40代からの野望はどんなんですか?」
HIPHOPは、人生の半分以上やってきたのでもちろん好きなんだけど、リアルに商売として、安定できるモノもほしいかな。もちろん今のSHOPも続けつつ、みんなで酒を飲める店とかつくりたいですね。40代からの野望は、自分のお気に入りの場所の、顔的存在のジジイになりたいです。


次は『呑ミ星』 川上さんへ! 
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G.CUEさんから川上さんへの質問
Q. 呑ミ星のレモンチューハイが大好きなんですが、美味しさの秘密を言える範囲で教えてください。
Q. 俺はよくお酒を飲み過ぎての失敗談があるんだけど、川上さんもだいぶ飲みますよね? 失敗しないために気をつけていることは?
Q. 木〜日曜という変わった営業体制ですが、月〜水曜は何をされているんですか?

プロフィール
『ラッパー/ASIAN-P』 G.CUE
94年、ラッパーとして始動。名古屋HIPHOPシーンにおける熱き存在として多くのファンから強い支持を受ける。15年春、6年ぶりのフルアルバムをリリース予定。大須『ASIAN-P』のオーナーとして                      も活動中。中村区出身。