THE BARBER 『GOLD SCISSORS』 代表 鈴木 新

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ーでは、よろしくお願いします! まずは鈴木さんのこれまでの経歴を教えて下さい。

幼少期は親父の仕事の事情で東京、大阪など転々としていたんですが、母親の実家が名古屋だったこともあって、小学校低学年くらいからはずっと清須、なので地元は清須です。小中高と名古屋近辺で過ごして、高校卒業後、理容の通信で勉強しながら、理髪店で働きながらっていう流れです。

ー独立される前のお店にはどのくらいいらっしゃったんですか?

入社した当時は40人以上、3店舗くらいあった大型店だったんですけど、そこに約12年ほど勤めましたね。2011年いっぱいはそこで働いていて、2012年3月に自分のお店をオープンさせました。

ー自分のお店ということで「こうしたい! 」っていうイメージは固めていたんですか?

理容業界って、やっぱり衰退している感は否めないんですよね。俗に言う“1000円カット”と言った激安店の勢いに押されて、どんどん昔ながらのお店が少なくなっていたり…、なので、みなさんがイメージされるいわゆる理髪店をそのまま出しては、差別化は図れないだろうなと考えていました。「もっと特別な事をしていかなくては」っていう思いや「若い世代の方々にも美容院ではなくて、理髪店を選んでもらう」ってことですよね。そんなことを働きながらイメージしたり、考えていました。なので、とにかく男性の良さを前面に出した“男くさい”店を目指そうと思いました。

ー外観・内観を拝見して、雑誌などで見る海外の理髪店っぽいなと思いましたが、実際お店をつくる上で参考にされたものはありますか?

そうですね、そういう雑誌で紹介されているような、ロンドンの有名なバーバーが参考になってます。ヨーロッパテイストが強いんですけど、古き良き理髪店のイメージもどこかに残したいなと思って、例えば日本製のカナイスチーマーとか、所々にそういったものも組み込んでいます。…東京の方ではこういうお店が結構あるんですよ、ちょっとファッショナブルなバーバーといった具合に。まだ名古屋では珍しいものなので、そこを狙ってアピールして、そういう所で差別化を推し進めていければなって思ってます。
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ー外観・内観ともにお洒落な雰囲気が漂ってますよね! ホテルのテナントっていうところも風格が漂う感じがして良いですよね。

元々狙っていたわけではなくて、たまたま空いていたんです。1Fのテナント、路面店が第一候補だったんですけど、予算との折り合いもあってココになりました。少し奥まった立地なんですけどね。でも、良く言えば“隠れ家的な”雰囲気も出せると思うので、今となっては結果、すごく良かったと思ってます。

ーお客さんのターゲットはやはり若者ということになるんですか?

そこだけに限っている訳ではないです。今現在、私よりも上の世代の方々、40~60歳のお客様も顧客でいらっしゃるように、幅広い方々に来て頂きたいですね。若い世代の方にはお洒落のお手伝いや大人の男性への手助けを出来ればとおもいますし、ミドル層、シニア層の方々には、社会的地位に相応しい髪型や清潔感のあるキチッとした髪型を提案させてもらってます。他には、リラックスして頂けるような空間作り、シェービングのみ気軽に来て頂けるような嗜み…そんな風に利用して頂けるのが理想ですよね。

ーどんな方々がお店に来られますか?

一番若い方は23歳の方ですかね。若い方々はネットで検索してこられたり、HPを見てくださったり、情報を拾ってきてくれる感じですね。逆にご年配の方々は紹介が多いです。以前修行していたのが老舗のお店だったので、そこからのお客様もいらっしゃいますけど。稀に新規で飛び込みの方もいらっしゃいます。

ー幅広い層のお客さんがいらっしゃると思うんですけど、上の方々との会話はどうですか?

割と広く浅くいろんなことに興味があるので、その知識・情報をもとに「どんなことに興味があるのかな~」って具合に会話をしていってますね。例えば、政治・経済・スポーツなど新聞はすべてに目を通してます。なので、あまり深く詳しいことを言われると少し困っちゃいますけど(笑)。上の世代の方々はいろんなことを教えてくださるので、話していて面白いですよ。

ーそもそも美容と理容の違いって、どう違うんですか? 美容が女性で、理容が男性ということになるんですか?

そうではなくて、業務自体が異なりますね。例えばシェービング、つまり剃刀を扱う仕事があるかないかですね。美容師さんは剃刀を使えないんですよ。他には、理容師になりたての頃に言われた、「俺達の仕事はお客様の垢を取る仕事なんだ」って言葉がすごく印象的で、要は身だしなみを整えて、清潔にして差し上げる。逆に美容師は、お客様を飾る・着飾るように華やかにして差し上げる。あとは、ほぼ同じだと言って良いと思います。理髪店によっては、女性のお客様を扱うこともありますしね。

ーその違いがあったから理容師を選ばれたんですか? 美容師になろうと思ったことはなかったですか?

ぶっちゃけ最初は美容師の方でした。たまたま高校の時の先生が、お世話になった理髪店を紹介してくれたんですけど、そこは理容も美容も両方やっていたんですね。僕は美容師になるつもりだったんですけど、そこのオーナーが「先に理容をやってからの方が基本技術がしっかりするし、あとから美容に役立つぞ。お前のためにもなるから」と言ってくださったんですよ。当時18歳の僕は「はいっ!! 」って(笑)。そこで理容を選んで、今となってはどっぷりその魅力にハマった訳ですよ(笑)。

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ーでも、当時はカリスマブームだったんじゃないですか?

そうですね、ちょうどカリスマ美容師ブーム真っ只中でしたね~。正直、当時はグラグラしてましたね。「美容師の方がモテるんじゃないだろうか」なんて思いもありましたし(笑)。でも、どこかひねくれてるところがあるので、みんなが美容師の方に向いてるなら、「自分はこっち(理容師)だ! 」って感じでした。働いていくうちに理容の魅力に気付いて、それからはそんなことは思わなくなりましたけど。

ーなるほど~。ところで今のダンディな感じや服装など、ご自身のスタイルは、敢えてお店用につくっているんですか?

あっ、この漫才師っぽい感じですか(笑)!? う~ん、ベストは独立前から着用して、お店に立っていたんですけど、蝶ネクタイは独立してからです(笑)。髪型は以前からこのようなスタイルでした。なので、以前からこんなキャラではいたんですけど、独立してから“より”際立たせていこうという思いはありますね。このお店はちょっとトラディショナルな雰囲気やイングリッシュな感じも出していきたかったので、そういう“キャラ作り”も必要ですよね。

ーそうですよね。では、政木さん・山本さんから鈴木さんへの3つの質問です。ひとつ目「ズバリ、理容室の魅力は? 」

今まで話した内容もそうなんですけど、やはり“男の聖地”ということでしょうか。女性の目を気にしなくて良い空間として、男性の方が気兼ねなく、ゆっくりくつろげる場所ですね。

ー男なら一度は訪れてみたいですね。ではふたつ目「鈴木さんの憧れのヘアスタイルは? 」

やっぱり短髪ですね。あとは、是非ともみなさんに刈り上げをして欲しいですね。ちょうど流行ってもいるので、今まで敬遠してきた方も取り入れやすいんじゃないかなと思います。それに理容師の腕の見せ所ですからね。ハサミだけでも、バリカンを使用もどちらもお任せ下さい!
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ー流行っていなくても刈り上げが一番ですか?

もちろん、流行っていなくても刈り上げをお勧めしたいです。ビジネスマンの方を例にすると、刈り上げでなくても耳周り、首周りがスッキリと清潔感のある、キチッとした髪型の方が印象も良いでしょうし、スーツに似合いますよね。そういう身だしなみを整えるスタイルが働く男性には良いと思います。若者には、ロングがダメと言うわけではなくて、キチッとした髪型のカッコ良さも提案していきたいですね。

ーこれまでの“THE床屋さん”のイメージである、パンチパーマやアイパーもやられているんですか?

パンチはやることはほぼなくなりましたけど、アイパーは今でも全然やってますよ。それにアイパーは、格好良いんですよ! ビシっと決まりますから。ちょっと髪が立ってしまう方いらっしゃるじゃないですか? そんな方にはオススメですね。しっかり固まりますから。今でもミドル層からシニア層の方には好評ですね。

ーなるほど! では最後、みっつ目の質問…ちょっと変則的です(笑)。「鈴木さん、元気ですか(笑)? 」

元気ですっ!! なんですか、この質問(笑)。おかげさまで公私共に元気にやらせてもらってますよ。働いてばっかのイメージなんですかね!? ちゃんと働いて、ちゃんと休んでますよ。でも、休みの日も体を動かしてることが多いかもしれませんね。小さい頃からバスケをやっていたのでバスケをしたり、フットサルをしたり、まだゴルフには手を出していないんですけど、ゆくゆくはやってみたいですね。お客様でもやられている方が多いので。

ー鈴木さんは元気ということで(笑)、では今後のお店の展望はどう考えてます?

体が動く限りは現場に立っていたいですね。ずっとひっそりとやっていきたいですよ(笑)。ひっそりと言うとあまり良い印象じゃないかも知れませんが、広い世代に受け入れられる、このエリアの老舗にしたいですね。なので、多店舗展開という考えはないですね。それよりも根付かせていきたいです。僕がどんどん年齢を重ねていって、違う人が立っていても、お店は残っていく…受け継がれていくような、そんな風になれば良いと思います。どうせ店舗を増やすなら、他業種でやってみたいですね、飲食店とか服屋さんとか。いろんな人、いろんな業種を巻き込んでいければ最高ですね。

ー暖簾分けみたいにお弟子さんの店が増える感じですね。…お店を根付かせたい、このエリアの印象・愛着はどうですか?

今は名駅時代と言っても言いくらい名駅の勢いがありますけど、僕らは買物に行くなら栄でしたし、栄が名古屋で一番賑やかな街でいろいろな文化もあったので、僕は栄に愛着ありますね。そう思うと、ちょっと昔ほどではなくなった栄に寂しく思う気持ちはありますね。もっと活性化して欲しいですし、もっと面白い街になれると思うんですよ。だから、うちも愛着のある街・栄に根付いて、街へ少しでも貢献していけたらなと思ってます。こうは言っても、まだまだ栄に店を構えてぺーぺーなんで、もっともっと教えて下さい(笑)。

ー僕らもまだまだなので、こちらこそ宜しくお願いします。ありがとうございました!

 

 

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