『PEU CONNU』 オーナー 下野浩規

ーでは、宜しくお願いします! まずは下野さんの経歴を教えて下さい。

名古屋の緑区で生まれ育って、今は昭和区に住んでいます。地元名古屋に産まれ育って、高校卒業後にすぐイベント会社で照明をやったり、その後に郵便局で公務員をしていたり…最初は花屋になるつもりなんてまったくなかったんですよ。それでも22歳の時にこの業界に入りましたね。

ー何故、そこから花屋の道に!? きっかけは?

元々、お店を自分でやりたかったんです。雑貨屋さんにも興味はあったんですけど、どうもモノを売るだけっていう印象・感覚があったものですから、やっぱり自分で創ったモノでやりたいと。昔から植物を育てることが好きだったので、「花屋さんはどうかな~」っていう気持ちで、花屋さんに働き始めたのがきっかけですね。それから今に至る…っていう感じです。老舗の花屋さんで4年間修行しました。特に期間は決めてなかったんですが、「3年間頑張って修行したら、一人前」っていうのは頭にあったので、それくらいでお店を出したいなっていう考えはありました。

ー「店は大須で! 」っていう考えだったんですか?

いや、まったくです(笑)。…当時、大須があまり好きではなかったんです(笑)。と言うのも、中学生時代の“変形学生服を買いに行く街”だったり、 “コワい”っていうイメージが強かったので、正直、あまり良い印象はなかったんです。そういう自分のイメージもあったので、希望は都心だけど静かな印象の丸の内でした。でも、良い物件が無くて、どんどん南下した結果、大須に5坪の物件が見つかったので、「とりあえず、ココで」っていう感じです(笑)。はじめは、大須・大光院さんの近くで5坪の小さなお店、そこで約2年間。その次は、百老亭さんの横で約4年間…それで今の場所にたどり着きました。大須内で3 回移転をしたのちに辿り着いたのが今の場所なんです。

ー東区や覚王山といった街にも合いそうなお店の雰囲気ですよね。

でも、都心や街中で、緑いっぱいのお店を創りたかったんです。ちょっと都心からズレると公園だったり、落ち着いた雰囲気ってあるじゃないですか!? そういう“いかにも”っていうのは避けて、街のゴチャゴチャした中に…っていう考えでした。

ー最初からお店のコンセプトは“緑いっぱい”だったんですか?

そうですね。お店の雰囲気は、最初から頭の中に“白いお店で、フランスの片田舎にある雑貨屋さん”とイメージしていて、「緑に合うのはやっぱり白でしょ」っていうのと、前々からフランスを訪れた時に感じた“アノ”良い感じを日本で表現したいなって思っていました。

ー『PEU CONNU』 オーナー 下野浩規ー修行に行かれた老舗の花屋さんもそういう所だったんですか?

いや、雑貨などは置いていない“いわゆる花屋”さんでした。綺麗なお花や植物に囲まれた老舗の花屋さん。
ーどこでそういう感性が磨かれたのかなって思うんですが、岩田さんから頂いた3つの質問の中にも、「ショップディスプレイなどの独自の世界観はどこで学んだんですか? 」とあるんですが、どこからインプットされたんですか?

独自の世界観…(笑)…嬉しいですね! 学んだ訳ではなくて、僕の考えでは普通の花屋さんをしたかったんです。普通と言っても、日本の花屋さんではなくて、フランスで見てきた花屋さん。特に内装やディスプレイに凝っている訳ではないのに、花や植物がスゴく魅力的に見えていたし、お店の雰囲気も良かったんです。下手にカッコつけていない感じ…計算された嫌らしさも無いし、ただ花をどばっと置いている…そんなスタイルを日本でもやりたいなっていう。自分自身が好きで訪れた、そんなフランスやヨーロッパの花屋さんを参考にしているくらいですかね。

ーお店で売られているアンティークの器や雑貨、そういう+αのモノはどのように捉えていますか?

日本の花屋さんってどうも敷居が高いなって思う時ないですか!? 行ったら「何か買わなきゃ」って思ったり、「よし、花を買いに行こう」っていう感じ。でも、フランスの花屋さん、フランスの人々の花に対する接し方って、生活の一部なんですよね。変に気取ってない。それに日本の花のアレンジやカゴって、どこか本気を出して、堅苦しい感じがしてしまう…そうじゃなくて、誰の家にでもあるモノを利用して、さらっと飾れる…そんな提案が出来るお店にしたかったんです。例えば、ポットやマグカップに飾ったりっていう感じ。だから、ウチにある雑貨系の商品、置いてある・飾ってある花は、そういったモノを利用しています。

ー花や植物以外の器などは、どこから仕入れているんですか?

基本的には卸しの業者さんから仕入れています。アンティークの器などは、自分達で直接仕入れに行ったり、知り合いに頼んだりしています。でも、アンティークの器とかは、どうしても値が張ったり、なかなか気軽に使うことが出来ないと思うんですよ。なので、それに似た様なモノを入手して、“気軽に”そういったモノを提案していこうとしています。

ーそれでも、あくまでも主役は花と植物。

もちろん、そうですね。雑貨だけでは売りたくないのが本音です。ディスプレイの一環としてアンティーク系のモノをお店で使ったりしているのは、ディスプレイの仕事も請け負っているので、そういう時、使える様に、と思って。

ーディスプレイのお仕事などでは、以前されていた照明の仕事の経験が役に立ったりするんじゃないですか?

全然活かされてないですね(笑)。当時は怒られてばかりだったので、技術が身に付いていなかったのかも知れません(笑)。前職の経験を活かせられたら、それが一番なんでしょうけど。その後に諸事情があり、公務員である郵便局員として働いたりしましたから。両方とも、…言い方が良くないかも知れないですが、腰掛けだったんですよ(笑)。

ー何事も経験は大事ですよね。プライベートな質問ですが、ご結婚はいつ頃されたんですか?

結婚は、24歳の時ですね。丁度、老舗の花屋さんで修行をしていた頃です。まだ若かったですが、18歳の頃から付き合っていたので。

ーここからは、プライベートな質問で押していきます(笑)。岩田さんからふたつ目の質問で「夫婦仲良く仕事をするコツは? 」を教えて下さい。

家でも仕事でも一緒なので、ふたりっきりにならないことですね(笑)! ふたりでお店をやっている頃は、ケンカばっかりでしたからね。今ではスタッフもいるので、その手前、ケンカはしませんけど。仕事では常に一緒なので、私生活は別行動ですね。一日中一緒にいるので、敢えて家に帰ってから話すこともないじゃないですか(笑)!? ドライブ? 買物? 一緒には行かないですよ(笑)。なかなかふたり同時に休みを取ることもないですからね。

ーでも、お店の定休日は日曜日ですよね?

そうですね。でも、日曜日は日曜日で結婚式の仕事を請け負っているので、仕事はずっとしているんですよ。だから夫婦別々の日に休んだり。同じ日に休んで一緒にいたとしても、仕事をしている感覚になってしまうので、やっぱり別行動したくなりますね。…これじゃ、夫婦仲良くっていう質問の答えになってないですね(笑)。

ー…なってます(笑)。ちなみに休日があったとしたら、何をされることが多いですか?

僕、趣味が仏像を眺めたり、お土産に買ってきたりすることなので(笑)、ふらっと神社仏閣に行ったり、まとまった休みの時は、海外にも仏像を見に行ったりしますね。宗教が好きって訳じゃなくて、仏像自体の造形、彫刻に惹かれてしまうんです。アートというか、歴史を感じさせる雰囲気が好きなんです。

ーそういう趣味嗜好はお店の雰囲気に反映させたいとは思わないんですか?

怒られちゃうので(笑)、自粛しています。でも、お花教室では少し(笑)。小さな仏像を教室の片隅に置かせてもらったりするぐらいですけどね。奥さんはそっちに全く興味がないので、完全に僕個人の趣味です。

ー教室は毎日開講されているんですか?

火・水・木と開講してます。僕が全面的にいろいろとお花に関して教えさせてもらっています。教室以外の時間は、お店に立って接客と言うよりは、外回りや打ち合わせ、依頼されたディスプレイを行いに外に出ていることが多いです。
『PEU CONNU』 オーナー 下野浩規ーなるほど。では、岩田さんからのみっつめの質問です。「…夫婦仲の真実は…(笑)? 」…夫婦関係の質問攻めです(笑)。

確かにさっきから、そういう質問ばかりですね(笑)。夫婦仲が悪いみたいな言い方を先ほどからしていますが、仲が悪い訳ではないので、もちろん気持ちは繋がっていますよ。どれだけ仲が良くても、息抜きも必要じゃないですか!? かれこれお店を出して11年間…極端な話、365日、24時間一緒にいる訳じゃないですか!? 良い距離感っていうのが大事だと思います。なんとか(?)これまで危機もなくやってきているので、真実は、“夫婦仲良好”、だと思います(笑)。

ー赤裸々にありがとうございます! 話は変わりますが、大須内の交友関係、または大須へ飲みに行ったりしていますか?

夫婦ふたりではないですね(笑)! 花屋さん同士で行ったりすることはありますけど、大須へは行ってないです。むしろ、あまり大須の飲み屋さんを知らないですし、大須に友達があまりいません…(笑)。大須内のオープン祝いや、何かの祝い事に対してのお花を届けたりっていうことで、面識のある方は多いんですけどね。
ー意外ですね、交友関係が広いイメージでした。では、最後にお店の今後の展望を聞かせて下さい。

現状維持です(笑)。……ホントは、庭が広いお店を出したいんですよ。今ももちろん、庭があって満足はしているんですが、欲を言うともっと広い方が…。先ほどもお話した通り、都心近くや街中でお店をやりたいという前提があるので、広い庭を確保できる物件って、なかなか無いんですよね。郊外に行けば、もっと選択肢は増えると思うんですけど。今でも豊橋にもう1店舗あるにはあるんですが、そこは結婚式場の敷地内に小さくあるだけなので、もう少し世界観と言いますか、ウチの空間を創れるスペースが欲しいっていうのが、理想ですね。…でも、まぁ、現状維持でしょうね(笑)