Shout.41「尻星」
個性ってなんだろう?
と、なんとなく就活中の学生みたいに自己分析をしてみたんだけど、紙でつくられた顔とザッカーズで買った100円の体から成るオイラなんて、エロくてセコくて、ドブの中のカエルみたいにいつも目だけは月を見つめているんだけど、結果その場で真っ青な顔のまんま足踏みしているだけの野郎でやんして…。
もう、こんな個性なんて、あの佐野さんがつくった東京オリンピックのエンブレムと同じくらい不愉快しか生み出せないから!いや、もう、こんな個性なんて、あの佐野さんに自爆ダメ絶対ASKA先生よろしく思い切りパクッてほしーの!
てことで、新たな個性を見つけるならココでしょ的なショップに足を運んだのでござる。
裏門前町通にある『hipster』!!!
噂によると、ここにはこんな感じの北斗の拳からインスパイアされたでしょアナタ的なトゲトゲの靴や服が修羅の国状態なワケでありますて!
「ちょっと待ちな」と背後からの声で、無職で自暴自棄なオイラは一度止まる。
どぎゅーーーーーん!!!!
オーッスくん「あ、アナタは店長の『み・どーりー』さん!?」
み・どーりー「あたぁ!!!!」
オーッスくん「と、ところでなんでそんな感じなんスか?」
み・どーりー「こうしてないと死んじゃうの、私」
オーッスくん「まじスか!!!!」
み・どーりー「嘘。それよりアナタみたいなもんが何しに来たの?」
オーッスくん「いや、新たな…というか、自分に秘められた個性を見つけたくて…!」
み・どーりー「なら、そのシャツなんかいいんじゃない?」
オーッスくん「これスか!?」
み・どーりー「くそ似合わないね。まずバランスが狂ってる」
オーッスくん「は?ススメてきたのはそっちでしょ(笑)」
み・どーりー「あんだとコノヤロー!!!!!」
オーッスくん「い、う、うしろの青色の髪の女は誰スか?」
青色の髪の女「くらんき~ぷり~~~~~ず・・・」
オーッスくん「え、えええええ???」
するといきなり、み・どーりーさんは威嚇の演武をはじめ・・・
・・・・でもって、
ボクはどこかの国におけるトヨタ車みたいに吊るしあげられ、
その刹那、つまらない名古屋の象徴になったような気がしたのである・・。
青色の髪の女「オーワッヒッヒッホッホ~」
【つづく】