Shout.48「そこにある恐怖」

寝技的に暑苦しい名古屋の夏。オイラは「アーケードで涼しいから」という理由だけで、大須商店街の仁王門通を歩いてますた。すると、なんだか異様な空気を醸し出している看板を発見…。

ここは…ヴィンテージからレギュラーまで状態の良い古着ばかりを扱う『Unwave』。

で、なにかに誘われるかのようにして店先に到着…したら、妙な気配を感じる…。え?ガラス?誰か居る?あれって霊なの!?

…いや、違う。オイラの背後で気だるそうに立っていたのはUnwaveの店長のジェロさんだった。

ジェロ「…暑いね」
オイラ「そ、そうスね」
ジェロ「…じゃ、死ぬほど怖い話でもしてあげようか」
オイラ「え?死ぬほど怖い話?や、やめてくださ…」
ジェロ「その日、営業時間が終わって…」
オイラ「は、はじめるんスか!死ぬほど怖い話を!」
ジェロ「店に最後まで残っていたのは僕だった。閉店業務を終え、しっかりと戸締りをして、その日は家に帰ったんだけど、次の日、朝一番に僕が店に来てみると、昨日帰るときに消したはずのスタンドライトがついていてね…」
オイラ「は、はい」
ジェロ「…あれは死ぬほど怖かったなぁ」

オイラ「や、やべえ!その話、全然怖くないッス!それよりもジェロさん、この店なんだか暑くないスか?」

ジェロ「ああ、うちの店、わけあってエアコンないから」
オイラ「あ、汗、すごくないスか?」
ジェロ「まあね。10キロくらい痩せかな」

…オイラはスーパー銭湯のサウナから飛び出すようにしてUnwaveを後にした。…ジェロさん、エアコンなしで乗り切らなければならない夏が今そこにある現実の方が、オイラにとっては恐怖ですた…。

でも、心配無用。今はしっかりエアコンが設置されて涼しさ全開。さらにSALEも開催中らしいんで、この機会にいっちゃえ日産!

【つづく】