Talk Relay『SWORD OF REBEL』彫ぎんさん

『SWORD OF REBEL』の彫ぎんさん

―さて今回のTalk Relayは、裏門前の交差点のすぐそばにある『SWORD OF REBEL』の彫ぎんさん!!!
よろしくです。

1―こちらこそお願いしまッス!!! てことで早速! 彫ぎんさんといえば「TATTOO」なワケですが、いつ頃から興味を持ちはじめたんスか?
刺青のことが好きになったのは中学生の頃。レッチリが大好きでね。その憧れからはじまりました。自分の身体にファーストタトゥーを入れたのは高3のとき。「これを仕事にしたい」と思うようになったのもこのときからでした。

―ボク等からすると「彫師」という職業には特殊な世界であり、どうすれば「なれる」のかわからないのですが、彫ぎんさんはどのようにしてこの道を進んでいったのですか?
一般的に彫師になるには、ふたつのパターンがあります。ひとつは、ひとりの師匠に弟子入りを志願してみっちりと学んでいく。もうひとつは、タトゥースタジオに見習いとして入店して徐々に成長していく。といったふたつのパターンが王道になるわけですが、僕の場合、ちょっと違う道を選びました。

―ど、どんなパターンをチョイスしたんスか???
独学です。もともと子供の頃から絵を描くことが好きだったので。「自分でもやれるだろう」と思っていたのですが、実際に取り組んでみると想像以上に難しくて。基本的に自分の身体をベースに試していったのですが、線はつながらないし、色も出ない・・。ま、誰に教えてもらうでもなく、自分でやってるワケなので当然といえば当然かもしれませんが、スキルを身に付けるまでは結構キツかったですね(笑)。

3―自力でマスターしていくとは、さすがッス!!! 実際に「仕事」としてスタートしたのはいつ頃からスか?
二十歳のときからです。長野の実家のひと部屋を使ってはじめました。お客さんは自分の友人・知人やその紹介など、地元の方がメインでしたね。でも当時は、それだけでは飯を食っていけなかったので、バイトを掛け持ちしながらやっていましたけどね。で、5~6年ほど地元で経験を積んだのち、縁があって名駅の『8BALL TATTOO STUDIO』に入店しました。

―長野から名古屋へと活動の場を変えて、いかがでした?
いい街だなと思いましたよ。タトゥーが音楽など色んなカルチャーとリンクしていて。街として、タトゥーに対する考え方というか、タトゥーの価値そのものが、長野とは違っていましたからね。地元では結構プロの方に施術する機会もありましたよ(笑)。

―その後、独立されたのは?
『8BALL TATTOO STUDIO』で6年ほど働いたのち、中区橘に完全予約制のプライベートスタジオを開業しました。「マイペースで、ゆっくりやりたいな」という想いからです。そして2013年の春に現在地に移転しました。大須を選んだのは、やはり名古屋でTATTOOといえば“大須”というイメージが昔からありましたからね。

―実際に大須にSHOPを出してみて、いかがでした?
想像通り、心地良い街でしたね。いろんなものがある場所だけに、仕事のつながりも増えたし、海外のお客さんも足を運んでくれるようにもなりました。

―これから先、タトゥーアーティストとしてどのような展望を抱いてるんスか?
そうですね、タトゥーには大きく分けて和彫りと洋彫りがあるんですけど、今までは何でもかんでもお客様からの要望に応える幅広いスタイルでやってきましたが、今後は専門分野を絞りその分野のスペシャリストになりたいと思っています。それに共感してくれるお客さんだけを相手にやっていけるようになりたいですね。

―たしかに、それこそがアーティストとしての醍醐味なところがありそうッス!!! ちなみにですが、やっぱり無茶な要望を言うお客さんとかいるんスか?
いますよ。スカルとかトランプとか、なにかしらモチーフがあればお客さんのイメージは理解できるのですが、感覚とか目に見えないもので言われると、ちょっとね。「風を入れたい」とだけ伝えられたときは、さすがに困りましたけど(笑)。

5―たしかに、風にもいろいろありますからね(笑)。ってことで、ここらで前回のJ.Jさんからお預かりした質問を! ひとつめ「彫ぎんから見る、これからの日本TATTOO業界の展開は?」
昔は殿様商売でしたが、今後は色んなサービスが必要となると思います。タトゥーアーティストの数も増えましたからね。腕があるのを前提として、そこに何かしらの付加価値をプラスできるようにならなければ、厳しいかもしれませんね。

―やっぱり「だからこそ」の強みや魅力は、どの業界でも武器になりそうッスね。では、ふたつめの質問「超多忙の中、作品に対する集中力を保つ秘訣は?」
おそらく僕は、集中力を持続させる能力が人より劣ると思います。小中高と先生からは必ず指摘されていましたからね(笑)。実際、今の仕事でも作品を作る上で一番肝心な下絵を描く工程には、他の誰よりも(同業者)時間が掛かっていると思います。少し描いてはウロウロしたり、タバコ吸ってみたり・・。なので、徹夜や休み返上は毎度のことで、とにかく時間の使い方が下手くそ過ぎて悩んでいます。逆に誰か集中力を身に付ける方法やトレーニングを教えてください(笑)。

―そうなんスか、ちょっと意外ッス!!! ではラスト「座右の銘は?」
「大労なくして大成なし」です。タトゥーアーティストという仕事には、たくさんの知識や技術が必要となります。苦労は買ってでもやれ、という言葉もありますが、まさにその通りだなと。どんな職業にも当てはまるかもしれませんが、その道のプロとして成功したいのなら、苦難を乗り越えなければならないのは当たり前。なので、大変な想いをしなければ大きな成果は得られないものである、といったこの言葉を胸に、ひたすら頑張っている毎日です。今現在? もちろんキツイですよ(笑)。


次は『ラッパー/ASIAN-P』のG.CUEさんへ! 

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彫ぎんさんからG.CUEさんへの質問
Q. 今一緒にやってみたい(feat)アーティストはいますか?
Q. ラッパーになっていなかったら今頃は何屋さんになっていたと思いますか?
Q. 我々76年生まれ、40歳手前ですが、40までの目標、40代からの野望はどんなんですか?

プロフィール
『SWORD OF REBEL』
彫ぎん
「Red Hot Chilli Peppers」に大きな影響を受ける。地元の長野、名古屋の『8BALL TATTOO STUDIO』にて経験を積み『SWORD OD REBEL』をオープン。現在、名古屋が誇るTATTOOアーティストとして活動中。