美容室『Crazy Jr』 代表 本田充信
ーいろいろとお聞きしますのでお願いします！ まずは本田さんの経歴をざっくりと教えてください。
兵庫県の姫路で生まれまして、小学校の頃に一度名古屋に引越して来たんですけど、その後、半田で育ちました。すごく簡単に言うと、そのまま半田の美容室に就職して、イギリスに留学して、池下で小さいお店を共同経営していたけど、切り替えて今の大須のお店って感じです。
ー数ある職業から美容師を選んだのはどうしてですか？
元々、高校を卒業して、両親の勧めでレントゲン技師の短大に進んだんです。でも、短大に進む前から、昔から服が好きだったので、服屋になるか美容師になるかで悩んでいたんです。その時に友達から「やっぱり手に職があった方が良いんじゃない」っていう言葉を受けて、それで決心して、短大を中退して美容師の道に進みました。当時、9店舗くらい経営していた半田の美容室に飛び込んで、実践で働きながら学んでいきました。
ーその後、海外へと留学する訳ですが、その経緯は？
きっかけはコンテストに影響されてですね。有名サロンや有名メーカーのオシャレなスタイルを見て、「うわ～カッコイイな～」って。単純にそんな気持ちだけで海外に渡っちゃいました（笑）。22～23歳の頃ですね。イギリスでは美容学校に通って、本当は働いちゃいけないんですが（笑）、いろいろと“経験”させてもらいました。
ーその後はどのようにして、今のお店にたどり着くんですか？
1年ほど留学を経験した後は、もう一度半田の美容室に戻りました。数年間美容師としての経験を積んで、店長などを経験して行く内に、お店から名古屋・池下に店舗を出店するっていう話が出たので、共同経営・出資という形で加わり、池下で半独立という感じでお店をやってました。でも、なかなかうまくいかず、お店側が手を引くとなったんですけど、僕自身は「まだやります」って事で完全にひとりでやり始めたんです。
ーその頃、堀田さんと出会われたんですよね？
そうですね。独立してから1年くらいは試行錯誤を重ねながら、ひとりで頑張っていたんですけど、経営的には伸び悩んでいて…、ちょうどそんな時期に出会いました。今から8～9年前。きっかけは、TV番組の「恋のから騒ぎ」にも出演していた歯科医師の中田彩さん。この方に堀田さんを紹介して頂いて、「本山に移転しようと思っているんです」って相談したら、堀田さんから「大須にしたら？ 」と言われ、「じゃー行きます！ 」ってその場で決めちゃいました（笑）。なんでも信用しちゃうし、その場のノリを重視してしますので…。
ーでも、その時、初対面なんですよね（笑）!?
そうですね～（笑）。「大須のココが空いてるよ～」って話を聞いて、すぐに（笑）！ ちょうど、その日が本山の候補地の契約日だったんですけど、すぐに断りの電話を入れて、大須に決めました。あと、堀田さんの『BASE』の3階にも出店させてもらったり、次に紹介する水野さんの助言・テナントの話もあったり…、それで今では大須で3店舗…。そう思うと、僕自身、そうやって人に助けられたり、人に恵まれているな～って、スゴく感じます。
ーそして、ベルギー出店！ …堀田さんも話を聞いた僕らも「なぜ？ 」って思うんですが、教えてください。堀田さんからの3つの質問、そのひとつ目「ベルギー出店の理由は？」
僕のお客さんが仕事の関係でベルギーにいらっしゃって、お客さん曰く、「ベルギーには良い美容室が無い」っておっしゃるんですよ。「だったら、出しちゃいますか！ 」って事で、ノリで大使館に電話をかけたら、繋がっちゃって（笑）。トントン拍子で進んで、今はこちらから提出した書類をベルギー政府が判断しているところです。物件も、半年前からベルギー政府が何軒か用意してくれて、その中からセレクトして「ココかココだな」って目星は付けてあります（笑）。
ー政府や大使館ってなると、手続きも大変ですよね!?
かなり規制が厳しいんですよ。「アレはダメ。コレもダメ」って感じです。向こうからしてみれば、「ベルギーにも美容室はあります。そこに行けば良いじゃないですか？ 必要性がありますか？ 」って事なんですよね。でも、現地日本人にしてみれば、不満もある訳で、向こうには日本人が6000人ほど住んでいるんですけど、例えば言葉の壁であったり、日本の雑誌を持ち込んで「この様にして欲しい」というのも出来ないようだし、彼らのニーズに合った美容室が無いんですよ。そういった事をクリアするプランニング・事業計画書の様なモノをすべて英語に翻訳して、提出しているんです。政府・大使館が納得するモノを仕上げなければいけないので、なかなか難しいですね。
ー想像しただけで…かなり大変そうですね。
そうですね～。ビザの申請の問題もあるし、常用ではない難しい英語の問題もあるし、お役所仕事なので時間もかかって待たされますしね（笑）。1年以上費やしてますよ～。向こうには、日本人が経営している美容室っていうのは無いんですよ。フランス系が経営しているお店で日本人が従業員として働いていたり、モグリではいますけど（笑）。正式に許可を取って、経営しているのは無いですね。……なんだかんだ言って、僕自身、まだ行った事は無いですけどね（笑）。PCでGoogleを使って、見てるくらいです（笑）！
ーそれもスゴいですね！ 行動力がある様でない様な（笑）。
かなりノリです（笑）。出店となったら、向こうに当分は行かなければならないので、「その時行くなら、その時でいいや」って考えです。「でも、行きっぱなしも嫌だな～」って思ってます（笑）。おそらく認可は下りると思うので（笑）、今はベルギーに行ってもらうスタッフを募集しています。でも、今の若い子達は行きたがらないんですよね～。こんなチャンス、滅多に無いのに。海外で美容師の経験なんて、なかなか出来ないですよ。…このままじゃ僕一人になっちゃいますね。池下の二の舞ですよ～（笑）。向こうはフランス語なので、正式に決まり次第、猛勉強を始めます！ 英語はなんとか出来るんですけど、フランス語は…。なので、最初の内は“フランス語勉強中”って張り紙しておきます（笑）。
ー期待しています！ では、ふたつ目「本当は男性と女性、どっちが好きなんですか（笑）？」です。あくまでも、堀田さんからの質問です（笑）。
おぉ、変化球来ましたね（笑）。もちろん、……女性です！ 絶対、堀田さんは言うと思いました。あの人、僕を陥れる気ですから。あくまでも、僕はストレートです！ あっ、「男性が好きです」って言った方が良かったんですかね（笑）!?
ーでも、カッコイイ海外の男性をよく連れているっていう話を教えてもらいましたが…。
よく一緒に遊んでますね～。彼は……ベストフレンドです（笑）！ まぁ、ご想像におまかせします（笑）。……今、彼女もいないですし、誤解されますかね～!? まぁ、でも、「あそこの人、○○らしいよ」って噂が流れても、僕はへっちゃらです！ 全然気にしませんから（笑）。…41歳、独身ノーマル（？）な男性です（笑）。
ー“女性”と結婚を考えられた時期はありましたか？
ありましたよ（笑）。30歳くらいの時に一度ありました。でも、コンテストの事だったり、仕事を優先してしまって、婚期を逃してしまいました…。美容師は結婚難しいですね。若い内にするか、年齢を重ねてからするか、どちらかに寄りますよね。
ーそれに、美容師さんは仕事柄、美人の方を見る機会が多いので、理想が高くなってしまいそうですよね。
そうですね～カットやメイク、撮影などで、そういう方と一緒になる機会は多いので、そうなってしまう美容師も居るようですけど、逆に美人に慣れてしまって、マニアックになるケースも多々ありますよ。ちなみに、僕もマニアックな方が好みです（笑）。…まぁ、グルメと申しますか…（笑）。
ー素晴らしいです（笑）。みっつ目に参ります。「クルマ好きの本田さんが今欲しいヴィンテージカーは？ 」
えーっと、ポルシェの古いやつが欲しいですね～。ナローポルシェ、69年式のが特に良いです。今は、2000年式空冷エンジンのメキシコビートルに乗っています。年式は比較的新しいんですけど、形は古いままなので、スゴく気に入ってます。今はその1台です。
ー本田さんが思う、古いクルマの魅力ってなんですか？
やっぱり、走る工芸品ってトコですかね。形・フォルムであったり、手を掛ければいつまでも愛せる所なんかも好きです。以前は、ファンの多いフィアットのパンダ、アルファロメオ、ミニにも乗ってました。でも、運転は下手ですよ（笑）。古いクルマの雰囲気や歴史が好きなので…。よく故障が多いから嫌だって人いますよね。僕も高速道路で止まってしまって、堀田さんに助けれてばかりです（笑）。それでも好きです！
ークルマ以外の趣味はありますか？
casaとか建築も好きです。建築物はよく見に行きますよ。安藤忠雄氏が好きなので、休日は見学しに行ったりしています。お店にも反映させて、インテリアや内装にもこだわりたいですね。あとはゲーム、好きですね～。水野さんともよくゲームの話をしますし。
ー本田さんが紹介してくださる水野さんはどんな方ですか？
高校生の頃からお客さんとして接し始めて10年以上の付き合いですね。真面目で探究心のあるマニアックな若者です（笑）。でも、僕よりも先見の明があると思います。なので経営のアドバイスも頂いたり（笑）。環境問題や未来の日本の事を考えていたりと、ひと回り以上年齢が離れていますが、尊敬出来る人間です。
ーなるほど～楽しみです！ では、最後に今後の展望や夢を教えてください。
今でも現場に立つのが好きですし、奥に下がって経営者然としてるのは僕には合わないと思います。コンテストには出ていないですけど、スタッフに教えて、スタッフが頑張る姿を見るのは好きですね。…今後の明確な経営ビジョンは見えていないです（笑）。個人的には、ロータス・スーパーセブンに乗って、世界や欧州を周りたいですね。時々、スリに遭いながら…なんて、そんなノリの珍道中を楽しみたいですね（笑）。あとは、結婚相手を見つけます。全然海外の方でもOKなんで！ …男性でなければ…（笑）。
