Shout.16「仮フラワー」

このまえオイラは、名古屋の伝説の男のひとり、
ブリティッシュ・モミアゲ先生こと『fab chic』のTAKUさんに【モテ男の極意】を学んだ。

あのとき先生から頂戴した御言葉の数々を実行すれば、
いつかきっと彼女ができる日がやってくる。

そ、そう、し、信じることにしたんだなぁ、ぼ、ボクは。
て、てな感じで、の、野に咲く花のように、
あ、ありのままのオイラが、ふわふわと立ち寄ったのが、こ、このお店なんだなぁ。
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(裏門前町通にある『flower』ッス)

心地よい店内にはナチュラルガーリーなアイテムがいっぱいで、
女子に対して修業中の身であるオイラにとっては、
ある意味、荒療法を兼ねた「禁断の地」みたいな存在のショップなワケで!

女性スタッフ 「いらっしゃいませ」

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あたかも不審者を見るようなまなざしをほんのりとたたえ、
オイラを迎えてくれたのはスタッフの宮島さん!

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(indigo check top/8,980円、Someday short pants/10,800円)

ボク 「バウバウ❤」

あ、あまりにもカワイイもんだから、
ぼぼぼボクは、なぜか、まま松村邦洋みたいになったんだなぁ。

・・・が!
先生の教えを思い出し、正常モードに切り替える。

ボク 「宮島さん、唐突に訊くけど、あなたがオシャレをする理由は何ですの?」
宮島 「え? それは、オシャレが好きだから・・・ですけど」

ボク 「異議あり! あなたは嘘をついている。あなたがオシャレをする理由、いや、世の中の人すべてがオシャレをする理由、それは『異性にモテたいから』である!」
宮島 「そんな・・・・違います!」

ボク 「では訊こう。あなたは男性のことなど意識していない、とでも?」
宮島 「そんなことはありません。私だって、恋がしたいし・・」

ボク 「こ、恋がしたい? で、では訊こう。あ、あ、あなたはどんな男性が好きなのですか?」
宮島 「まず、私のことを好きでいてくれる人です」

ボク 「異議あり! またしても、あなたは嘘をつきましたね。あなたが、いや、世の中すべての女性が好きな男性像、それは『細身の服を着ていて自分の世界観を持つ男』である!」
宮島 「え? そんなことないですけど」

ボク 「なぬぅ!? で、では訊こう。あなたが男性を見るとき、まずどこに目をやるというのだ!」

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(そのとき、宮島さんは何かのスイッチが入ったかごとく、いきなりオイラを鷲掴みにした!!!)

宮島 「目です」
ボク 「・・・・め、目???」
宮島 「そう、目を、じっと見つめるの」

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ボク 「そ、そんな目でオイラを見るのはやめてけろ!!! ま、まま、まずはその男が、オシャレかどうか、じゃないんスか???」
宮島 「その人がオシャレかどうか、というより、その人に似合っているファッションであれば、私はいいと思うの」

ボク 「そ、そうやって気になる男に『好きですビーム』をぶちかましてから、自分から告白する・・ってことなのきゃ!?!?」
宮島 「ううん。私は、自分からは言わない。相手から言わせるの」

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ボク 「な、なぜ、自分から告白しないんスか!?!?」
宮島 「フラれるのが怖いから。好きな人ができたら、私に好意を持っているかどうか、見つめて、身辺調査もいろいろして、見極めてから告白させるの」

ボク 「み、宮崎マンゴー!!!!!!」

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・・な、なんでかなぁ、
こ、こんなに、か、カワイイ女子と話しているのに、
おおおお、オイラの背筋には、つ、冷たい汗が流れたんだなぁ・・・。

【つづく】