weicheBrise プロデューサー NALさん

ーNALさんの経歴を伺いたいのと、岸さんからの質問にもある、バンド・ベースを辞めた経緯を教えて下さい

高校を出て、バンドでメシを食えたらいいな〜と思ってました。当時はバンドブームがすごくて、なんとなくなれちゃうんじゃないかぁって。けど、だんだんレベルが上がるにつれて、自分の音感の無さが気になってしまって、これはちょっと無理だろうと。ある程度のところまでは、手先の器用さでやれていたけど、やっぱりそれじゃダメでしたね。もう東京にも出ていて、22〜23歳くらいの頃だったかな。その頃のメンバーは、僕とヴォーカル以外、音楽でメシを食ってますね。

ーそれからすぐに現在のような活動を始められたんですか?

わりとすぐに始めましたね。音楽以外でも何か表現する仕事がしたかったので。たまたま作ったのが革で、「できるじゃん!」って。当時は革、スタッズっていうのものがバイカー以外からの人気を得ていなかったので、違うカタチで表現できればいいなと。自分がバイクに乗らないので、「じゃーロックだ!」と。アーティストの衣装なども作ってという要望もあったので。

ー始められた当初の周りやお客さんからの反応はどうでしたか?

意外に、お店に置いたらすぐに売れてしまって、当時はまだ副業感覚でブランドやっていたけど、すぐに本業の給料を抜いちゃってた。こっちを本業にするのはいつでもいいなって。でも、結婚していたんで、もっとしっかりと道筋が見えるようにしなきゃな〜と思って、それでお店を始めました。25〜26歳くらいには、この仕事でやっていけるって思えましたね。

ーブランドの印象とお話の感じからすると、順調そのものといったイメージですが、一番の苦労は?

1999年にある日突然結核になったことですかね。有無を言わさず病院に強制収容(笑)。半年くらい仕事ができなくて、当時はこのままイケるな〜って思ってたのに、そこでの半年のブランクが大きかった。退院後には、オーダーも来なくなってて、「うわ〜終わった」って感じでしたね。でも、大きな事はこの一件くらいですね。細かい事を挙げたらキリがないと思うけど、始めた頃から今の今まで楽しく、自分のやりたい事がやれているので、苦労はないですね。

ーNALさんと言えば、ミュージシャンや他業種など交友関係の広いですが、出会いやキッカケはなんですか?

今はブランドの仕事で東京に行った時に知り合ったり、既に仲の良い方からの紹介であったりが多いですね。あとはバンドで東京に行っていた頃から、この人と一緒にやりたいなって思ったら、必ず繋がる。運なのか、縁なのか、そういったものは、昔から強いですね。それと、こういった仕事をしているので、普通の会社員の方に比べて、いくつになっても友達が増えますね。バカみたいに朝まで飲み明かしたり、騒いだりっていう事も出来るしね。でも、意外と名古屋の友達は少ないかもな〜。最近は競輪選手だったり、大会社の社長さんだったり、病院の先生だとか、いろんな業種のいろんな方々と出会えてますね。

ー知多出身ということですけど、名古屋には出てこなかったんですか?

知多にいて、バンドが元々豊橋のバンドだったので、すぐに名古屋っていう事にはならなかった。その後、バンドのみんなで名古屋には出て来ましたけど。当時の大須は『Electric LadyLand』っていうライブハウスがあって、僕ら世代はそこに出るっていうのが、一番のステータスでしたね。う〜ん、当時はファッションの街というよりは、泥臭いロックのイメージだったり、商店街っていう印象でしたね。今は、そのライブハウスもオシャレになったし、若者が集う街のイメージに変わりましたね。

ーそんな大須の街に『weicheBrise』を出店されましたが、岸さんからはなぜ『MODERN PIRATES NAGOYA』を大須に移転させなかったの? という質問を頂きましたが…

そうですね〜、ゴルフのライバル達が大須に事務所だったり、お店を構えていたりするからですかね(笑)。でも元々、大須には『MODERN PIRATES NAGOYA』を出したかったですよ。色々と考えました、『MODERN PIRATES TOKYO』や現在の名古屋のお店との差別化をどうやって図ろうか。けれど、色々と条件が合わなかったり、お店の広さもイメージとは少し違ったので、温めていた『weicheBrise』というお店にしました。ゆくゆくは、大須にも「MODERN PIRATES」のお店を出したいですね。

ー「weicheBrise」の構想はいつ頃から考えていたんですか?

ホント、最近ですよ。去年の夏にカメラを触り出して、面白いな〜、じゃーカメラストラップを自分で作っちゃおう。そんな風に考えたのが夏の終わり。それから創り出して、タイミング良く秋の終わりにはお店の場所の話があって、直感で決めましたから。東京への出店の時もそうでしたからね。直感が働かない時はどんなに勧められてもやらないので、直感を頼ってます。

ー「weicheBrise」というブランドは、広告などで女性をメインにされてますけど、ターゲットは女性?

女性を全面に打ち出すのはもっとも極端な例ですけど、この間の『Masterpiece』さんとのコラボアイテムみたいに、カジュアルな人にも受け入れられるモノを作りたいなって思ってて、「MODERN PIRATES」でそれをやっちゃうと、ブレちゃう気がするし、両立は難しいのかなと思う。イメージ的には、「MODERN PIRATES」と「weicheBrise」は正反対・真逆に存在するブランドにしたい。出発点から平行にそれぞれが反対に向かって進んで行く感じですね。色で言うなら「MODERN PIRATES」は黒×銀、「weicheBrise」緑×金。それ以外のアイテムは出さないでおこうっていう狙いです。

ーNALさんの一日のスケジュールはどんな感じですか? Twitterを拝見すると朝が早い印象ですけど

朝は早いですね4:00とか5:00。起きたらすぐ動けるタイプなので、すぐに作業に取り掛かります。目標はその日の内に眠る事ですけど、飲みに行ったり、なんやかんやで日をまたいでしまいますけど。長い時は10時間作業しっぱなしとか、何アイテムも作ったりします。あとは、アーティストへのサンプルや新しいアイテムのサンプル制作ですね。

ー岸さんからの3つめの質問であるタトゥーの総額は?

すごい簡単ですよ。すべて物々交換なので、タダですね(笑)。厳密に言うとタダではないですけど、お金を払ってやってもらった事はないかも。ブランドをやり始めた頃に入れたのが、一番最初ですね。ちょっと邪魔に思う事もありますけど、得した事も多くあるのでいいものですよ。ブランドをやってて覚えてもらったり、仕事に好転したりする事があるので。

ー最後にNALさんの目標や夢、やりたい事を教えて下さい

競輪やりたいですね〜。自分が出走するんじゃなくて(笑)、例えば大須杯みたいなレースをみんなで開催したいですね。最近仲良くなった競輪選手に、レース前の選手しか入れない場所へ連れて行ってもらったり、近くでレースを拝見したら、ものすごい迫力だった。ギャンブルのひとつではなくて、純然たるアスリートの戦い。駆け引きなんかも色々あったり、選手同士の競り合いなんかも激しくて。だから、競輪の地位向上じゃないけど、みんなで盛り上げていきたいですね。競輪場内の飲食店のB級グルメ的美味しさや、周りの景色の良さだったり、自転車人気も上がってるし、いろんな楽しさがありますよ。