Shout.14「リアルワンカップボーイ」
人気古着ショップ『Feeet』の店長・杉岡さんの二次会に出席してからしばらく、
オイラは、体育座りで真剣に、自分という存在と向き合っていた。
果たしてボクは、結婚できるのだろうか?
いや、それ以前に、彼女ができるのだろうか?
仮に彼女ができたとしても、無事にSEXを遂行できるのだろうか?
と、試合中の谷繁監督みたいな表情のまま自問自答した結果、
ひとつの結論にたどりついた。
そう、オイラは、あくまでも純粋に、それでいて性悪に、
女子のことを「エロス」の対象としか見ていなかったのである!!!!!
・・・・こりは誠に、お恥ずかしい話ですよ。
モテたいとか、カッコ良くなりたいとか、いい男になりたいとか、
こざかしいオブラートで幾重にも包んだゲスな願望をひん剥いていくと、
その核心でキラッキラと輝いていたのは「やりたい(・・・・)」という四文字オンリー。
オイラという存在は、ただそれだけだったのです。
ちゅーことで!
狂ったエロスを矯正するならココでしょと誰かが言っていた、
大須の戸塚ヨットスクール的存在のお店『Vallery’s Trap』に突撃!!!
裏門前町通にあるVallery’s Trapのテーマは「Real Pin-up Girls&Rockin Groupies」。
海外のサブカルチャーブランドや国内のロッキンアイテムが満員御礼ドゥビドゥバ状態ッス!!!
オイラ 「あ、店長のYumiさん! こんな歩く性欲の塊のようなボクを叱ってくださーい!」
Yumi 「違う。あんたが話しかけているのは、ただのマネキンだから」
オイラ 「し、失礼しまスた! あれ、Yumiさん、なにゆえ涙を・・?」
Yumi 「違う。あんたが話しかけているのは、入荷したてのオススメBagだから。あたしはこっち」
振り向くと、彼女がいた。
正直、なんかエロイな、と思った。
Yumi 「気をつけなさい。それ以上、あたしをエロイ目で見るなら、あんたを確実に不幸にしてやる」
オイラ 「も、申し訳ありま千円!」
Yumi 「じゃ、はじめるよ」
てな感じで、エロス矯正スタート!!! まずはYumiさんの足もとから!!!
オイラ 「網タイツに負けるもんか! 網タイツに負けるもんか!」
続いて、禁断のダイビング息止めバタフライ!!!
オイラ 「ガイコツになってまふ~! ガイコツになってまふ~!」
(※LUCKY13のTシャツ/4320円)
そいでもって、最後はYumiさんの耳もと!!!
オイラ 「緑色の三つ編みくぅわ! 緑色の三つ編みくぅわ!」
Yumi 「違う。あたしの髪色は、アトミックターコイズってカラーだから」
(※KING&QUEEENのスタッズピアス/800円)
・・・歪んだエロスを矯正するため、
ボクはYumiさんによる地獄の特訓に耐え抜いた。
なんともいえない、清々しい気分だ。
オイラ 「Yumiさん、ありがとうございやした!」
Yumi 「礼なんていらないよ」
オイラ 「と、ところで、バレリーズトラップがテーマにしている『リアルピンナップガール』って???」
Yumi 「詳しく知りたいなら、また出直しておいで」
オイラ 「わ、わかりやした。じゃ、あとひとつだけ訊いてもいいスか???」
Yumi 「なんだい?」
オイラ 「Yumiさんの、ス、スリーサイズって・・・」
Yumi 「オマエヲ フコウニ スルー!!!!!」
オイラ 「ベティ!!!」
【つづく】