子供よりも子供のまま、本気で遊ぶ。
『ZAKKA’S』若
―いきなりですが若さん、若さんの「若」というのはニックネームであって、本名ではないんですよね?
はい。
―どうして「若さん」って呼ばれているんですか?
今から20年ぐらい前、僕が15歳ぐらいだった頃、親父が店をやっていて、その息子の僕は若旦那ってことで周囲から「若」と呼ばれるようになっていたんです。それが今も続いていて、付き合いのある大須や栄の人たちからも若くんとか若さんとか呼ばれているんですけど、もしかしたら僕が「中野」って名前だと知らない人の方が多いかもしれない(笑)。
―そうなんですね(笑)。ところで親父さんが経営していたお店って何屋さんだったのですか?
アパレルもあれば雑貨もあるような、俗にいうセレクトショップみたいな店です。その店で扱うオモチャの仕入れを僕は手伝っていました。
―え?中学生でバイヤーしていたんですか?
バイヤーというと少し大袈裟ですけれど、親父と一緒にアメリカに行って、自分が欲しいものと一緒に親父の店に置くものを選んで仕入れていた、って感じです。海外には幼いときから年に数回のペースで親父に連れられて行っていました。中学生のときなんて、高校受験の結果をアメリカで知りましたからね。そのとき親父は「もし落ちていたら置いて帰ろうと思っていた」って(笑)。
―かなり面白い親父さんですね!
ええ、たしか今65歳ぐらいなんですけど、とにかく何かと若いですね。
―ところで、若さんがオモチャ好きになったキッカケって?
物心ついたときからアメリカの映画やアメ車が大好きだったんです。小1ぐらいから集めはじめたマクドナルドで手に入るオモチャとか中学生ぐらいのときにハマっていた「Spawn」とか、とにかく、あのいかにもアメリカならではの体に悪そうな色使いが自分には響いて。いまだに集め続けていますからね。店に置くという名目で(笑)。
―若さんのコレクションって、凄そうですね?
数は相当ありますよ。『ZAKKA’S』の店頭にあるものの3倍は軽くあると思います。専用の倉庫にストックしてありますから。
―倉庫に!?奥さんは何も言わないのですか?
はい。何も言われませんが、基本的に白い目で見られています。これがコレクターの末路というか(笑)。ほんと、オモチャを保管している倉庫はゴミ屋敷みたいですからね。どこに何があるのかなんて余裕で把握しきれていません。なんとなく、アレはたしか右の方にあったかな…って状態なので。「捨てたい」「リセットしたい」と思うときもありますけど、それができないんですよね(笑)。
―断捨離とはかけ離れた生き様…それもまた若さんの個性だと思います!ちなみに『ZAKKA’S』をオープンしたのは、いつ、どんなキッカケで?
店を出したのは4年ぐらい前です。それ以前は車のディーラーでセールスマンの仕事をしていました。もともとは自分の店を持とうと考えたこともありませんでしたが、知人を通じて、某社長と出会ったことで事態は急転したんです。その社長に僕のオモチャ倉庫を見せたところ「これは店を出すべきだ」という展開になり、あれよあれよと…。
―それから約4年、いかがですか?
オープン当時はアパレルと雑貨が7割でオモチャが3割の商品構成でしたが、今ではオモチャ9割になっています(笑)。基本的に僕が欲しいものだけを仕入れる方針なので、もし売れなくても自分で持っていればいいだけだし、そういう面では楽しみながら店をやれていると思います。あと、店を持って感じたのは、同じ趣味のお客さんとか、同じ業界に関連する人たちと交流できることが楽しいですね。ただ、よく知人から「遊びで店やってるの?」って聞かれるんですけど、思い切り本気ですから!(笑)
―では、そういうことで!前回の西尾さんからの3つの質問いきます!ひとつめ「個人的に好きなオモチャはなんですか?」
好きなのはアメリカの映画のキャラクターや車です。強いて一番好きなキャラを揚げるなら「STAR WARS」のボバ・フェット。見た目のカッコ良さもさることながら、死に方がとにかくダサい。そんなところがまた良くて。もう好き過ぎて時々、ボバ・フェットの格好をして大須を歩きますからね。イベントや祭りのときなどに。
―見たいですね、若さんのボバ・フェット!続いてふたつめの質問「今までオモチャを通して興奮した出来事はなんですか?」
1997年にテキサスまでボバ・フェットの中の人に会いに行ったときは興奮しましたね。まだ当時の僕は15歳だったので、子供特典としてお菓子とかもらえたんですよ。あと、2000年くらいに「RATFINK」の作者エド・ロスに会ったときもうれしかった。でもそのとき、海外のファンたちの喜び方に圧倒され、自分の愛の足りなさに愕然とした苦い記憶もありますけど(笑)。
―すごそうですね海外ファンの熱!ではラストの質問「今後の展望は?」
これからも、子供よりも子供のまま、本気で遊んでいきたいです。僕の大好きなアメリカが一番良かった頃のものであふれるオモチャ箱のような店として、興味のある人にはもちろん、大須に遊びに来た通りすがりの人にも足を運んでもらえればなと。楽しいじゃないですか、店で商品を物色するのって。ネットショッピングもいいと思いますが、その場で買った物って、思い出が残りますからね。
プロフィール
『ZAKKA’S』
若
小学1年のときアメトイに目覚める。中学時代から父親のセレクトショップに置くオモチャの仕入れを手伝う。19歳の時にアメリカへ一年留学し、帰国後は大学へ進む。大学卒業後は車のディーラーで働いていたが、某社長との出会いがキッカケとなり『ZAKKA’S』をオープン。1982年生まれ、名古屋市出身。
Q.ONIくんに、出会って20年程立ちますがあの頃と比べ、変わった事?全く変わらない事は?
Q.アパレル、音楽、釣りなど多方面でも勢力的な活躍をしていますが、その行動力の源は?
Q.今後の一番大きな野望は??