土井沙織
今回のゲストは大須にある喫茶店『Sachico Brownie』のサチコさん、よろしくお願いします。

サチコ
よろしくお願いします。

土井沙織
はじめてこちらに来ましたが、とてもかわいいお店ですね!オープンされたのはいつですか?

サチコ
今年で4年目になります。でも、『Sachico Brownie』としては7年くらい前から、朝市や各種イベントで出店したりしていました。

土井沙織
ここに店を構えたのは?

サチコ
以前、この場所に『珈琲じゅっぷん』というお店があって、私は好きでよく来ていました。私も自分の店を持ちたいなと思いだした頃、ちょうど移転するマスターから声を掛けてもらってこの場所を引き継ぐことになりました。

1 Sachico Brownie サチコさん

土井沙織
Sachico Brownieといえば、やっぱり店名にも入っている「ブラウニー」が気になります!どのようなこだわりがあるのですか?

サチコ
牛乳とか卵とかを使わずにつくっています。もともと私が菜食だったので。コーヒーも以前は飲めなかったのですが、、ちゃんと淹れてもらったコーヒーを飲んだらすごくおいしくて。それから、コーヒーと一緒に食べたいお菓子として、チョコブラウニーをつくるようになりました。最初は自宅用でつくっていたのが、友人にも配ってみたら好評で、イベントなどでも販売するようになり、そしたら「おいしいから店を出してみたら?」「だったらこの場所使いなよ」と言ってくれる人たちが周りに居て、現在に至る…といった流れです。

土井沙織
好きが高じて紡いだ縁によって生まれたお店なんですね。

サチコ
ほんと、たまたまです(笑)。

土井沙織
サチコさんのブラウニー、ひとついただいてもいいですか?

サチコ
どうぞどうぞ。

2 Sachico Brownie サチコさん

土井沙織
では、いただきます・・・濃厚!すごく味がしっかりしていますね。イチジクもおいしい。

サチコ
ありがとうございます。

土井沙織
どこかのお店で修業してこのブラウニーをつくれるようになったのですか?

サチコ
いや、ほぼ独学です。何度も何度も、繰り返し失敗しましたけどね。その他の焼菓子を作るときなんかも最初のうちは筋肉痛は当たり前で、次の日の朝に起きたら手が混ぜ作業をする状態で固まっていることもよくありました。

土井沙織
そうなんですね!そういえばサチコさんって、旅好きなんですよね?

サチコ
はい、20代からちょくちょく出かけていました。なかでも、22歳のときに車を買って、友達と一緒に行商みたいなことをしながら、国内各地をめぐったときの旅はすごく貴重な経験になりました。

土井沙織
その旅を通じて得たもので一番大きかったものって何ですか?

サチコ
人との出会いです。いろんな人に出会い、いろんな話を聞き、いろんな世界を知ることができました。

土井沙織
その旅の道中、一番印象に残っているエピソードは何ですか?

サチコ
当時のANAにはバースデー割引という1万円で国内ならどこでも行けるというサービスがあって、それなら一番遠いところまで行こうと、北海道から沖縄に行くことにしたんです。ただ、一緒に行った友達は働く先を事前に見つけていたので、私はテントを張り、ひとりぼっちでキャンプ生活することになりました。それであるとき、嵐がやってきたのです。風とか地響きとか本当に猛烈だったので、「ああ、私はこれで死んでしまうのか。でも、自分でここに来たんだしな…」と覚悟して、そのまま寝ました。

土井沙織
え!寝たんですか?

サチコ
はい。そこで一度生まれ変わりました(笑)。

2 Sachico Brownie サチコさん

土井沙織
たくましいですね(笑)。そういえば、前回のゴリさんとサチコさんはどのようなご関係ですか?

サチコ
一番はじめに会ったのは、ゴリさんの先輩がやっていたお店でした。その先輩の妹が私のお姉さん的存在で。それからゴリさんのお店に遊びに行くようになって仲良くなり、そのあと一緒にウクレレチームを組んで老人施設や祭りなどで演奏したりして…。

土井沙織
サチコさんから見てゴリさんって、どんな人ですか?

サチコ
ゴリさんはねぇ…あんな人ですね(笑)。パワフルで、兄貴分で、本当に面倒見が良いし、顔も広いし。もしもあの人が居なかったら、今存在していないものがたくさんあると思います。私の店の常連さんの中にも、ゴリさんが紹介してくれた方がたくさんいますからね。ゴリさんの結婚式のとき、奥さんからのリクエストで『特大ウェディング・ブラウニー』を作らせてもらったんですが、友人たちとサプライズ演出で贈ったら物凄く喜んでくれて! あとは、Ie goricoでやった、ガチンコ塩むすび対決の『オニギリンピック』ですかね(笑)

土井沙織
素敵な関係ですね。ところで、実際に自分の店を持ってみてどうですか?

サチコ
この場所もすごく好きだし、店のサイズ感もちょうどいいし。その日によって集まる人が違って、その都度ここは異なる空間になり、いろんな人間模様が繰り広げられます。結構おもしろいことも起るんですよ。ミラクルなことが。待ち合わせをしたようにいつも同じタイミングで入ってくる二人がいたり、産婦人科の先生とそこで生まれた人が偶然出会ったり。あと、何か欲しいものがある人がここに来たらそれが見つかることもあります。自転車とかクラリネットとか。不思議ですよね。

土井沙織
パワースポットみたいですね!今後はそっち系でSachico Brownieを推していきましょうよ!

サチコ
パワースポットカフェって?客層変わるわ!(笑)

土井沙織
たしかに(笑)。今現在、お客さんってどういう層が多いんですか?

サチコ
男女比はキレイに半々で、年齢層も高校生からお年寄りまで幅広いです。ちょっと特殊なのは、何かをつくっているお客さんが多いこと。作家とかミュージシャンとか。知らない人同士が出会って、話が盛り上がることもしばしば。この狭い空間だからできるんでしょうね。だから、おもしろいですよ。

土井沙織
サチコさん、お客さんよりも誰よりも楽しそう(笑)。

サチコ
そうなの(笑)。いろんな人の話を聞いたりしたいという目的があって旅をしていたけど、ここに居たら出かけることなくそれができちゃいますからね。

土井沙織
店を出して大正解ですね。ではここらで、ゴリさんからサチコさんへの3つの質問!ひとつめ「サッちゃんは接客の天才だと思っています。接客の心得3か条は?」

サチコ
ひとつは「慌てないこと」です。店の人が焦ったりしていたら、お客さんはこの店大丈夫か?って心配になり、のんびり寛げませんからね。ふたつめの心得は「気を遣わせない」ことです。今日はどっちのさっちゃんかな?とかね(笑)。変わらないものがない世の中だからこそ、なるべくいつも同じ空気感で迎えられるように心掛けたいと思っています。お客さんには、来た時より少しでも気分良く次の場所に移って頂けたら幸いです。あともうひとつの心得は「女を出さないこと」ですね(笑)。

土井沙織
そうなんですね(笑)。続いてふたつめの質問「サッちゃんの旅話(沖縄離島)にはいつも爆笑です。新しい旅話はありますか?」

サチコ
今年行ったのはフィンランドで、店を開店してからはじめて長期休暇を取って、現地の友達と車を借りて北極圏まで旅してきました。その帰りに空港で飛行機を待っていたら、いつまで経っても搭乗ゲートが開かないから「どうしたんだろう?」と思っていたらフライトがキャンセルになり、泊まる場所は航空会社が用意してくれたのですが、そのとき私は3ユーロしか持っていなくて…。向こうはカード社会だと聞いていたのに、空港に行くまでのバスに乗るときにはカードが使えなくて、5ユーロかかるところを3ユーロしかないと伝えたら、運転手さんに「しょうがないな、乗りな」って(笑)。

土井沙織
無鉄砲なハートフル話ですね(笑)。沖縄離島での旅話は?

サチコ
さっき話した嵐で死にそうになった話もそうですけど、ヤドカリの話とか、宮本武蔵になりたいフランス人の話とか、いろいろありますよ。でも、話すと長くなりますよ(笑)。

土井沙織
すごく気になります!でも、長くなり過ぎるのもあれなのでラストの質問!「サチコブラウニーとして独立しましたが、一番うれしかったことは?」

サチコ
これが私の仕事、と思える仕事が持てたことです。単に自分がやりたいことだけではなく、需要と供給が成立して、人に喜んでもらえることが見つけられたのは本当に良かったと思います。親を安心させられたことも良かったですね。何かと心配をかけてきたので(笑)。私が店を構えて続けていることが自慢にもなっているみたいで。

土井沙織
きっとSachico Brownieという存在は、サチコさんのご両親にとって大きな親孝行になっている思います!今回はありがとうございました!

プロフィール

『Sachico Brownie』

サチコ

20代の頃、人との出会いや未知なる世界を求めて各地を旅する。その後、自身のつくったブラウニーを朝市などで販売。2013年、常連として通った『珈琲じゅっぷん』の跡地に『Sachico Brownie』をオープン。名古屋市出身。

次は『支留比亜』の服部 公さんへ!

サチコさんから服部さんへの質問

Q. 喫茶店マスターとして大事にしていること3つを教えてください。

Q. 役者人生も長い公さんですが、いつかやってみたい役はありますか?

Q.今ならママチャリでどこまで行けそうですか? 笑

この記事のインタビュアー

プロフィール

土井沙織(26歳)

”女性が憧れる女性”をコンセプトに、新しいスタイルの音楽・ファッションアイコン・エンターテイメントに特化し東海から世界に向けて新たなムーブメントを起こすマルチガールズユニット「ISGY」(アイエスジー)のメンバー。YABA COLLECTION 2016にてデビューを飾る。

TALK RELAY

オモシロイ大人をインタビューしていくこの企画

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